エッセイ
2025年07月18日 03時23分

「自衛官たちの告白」に心を動かされた理由:知られざる防衛の現実

初めて向き合った「防衛」という現実

ある日、ふと書店で手に取った「自衛隊 元最高幹部たちの告白」。そのタイトルから何となく重々しい感じがして、普段はあまり手を伸ばさないジャンルだと思ったのですが、なぜか気になってしまったんです。私が普段読むのは、もっと人間の内面に迫る小説や、日常のささやかな出来事を描いたエッセイが多いんですが、この本には何か惹きつけられるものがありました。

本を開くと、そこには戦後日本の防衛を支えてきた人たちの声がありました。彼らの言葉は、私にとっては驚きの連続で、これまでの自分の無知を痛感させられるものでした。特に印象に残ったのは、「核兵器で恫喝されたらどうするのか」という問いかけ。今までニュースで耳にする程度だった核の問題が、急に現実味を帯びてきて、まるで自分がその場にいるような感覚に襲われました。

自衛隊員もまた、市井の人々

本を読み進める中で、特に心に残ったのは、元自衛官たちの「戦争をしたくない」という切実な想いでした。彼らが語る「専守防衛」の理不尽さ、そして「自衛隊員も日本の国民です」という言葉には、胸が締め付けられました。彼らもまた、私たちと同じように家族がいて、日々を生きている人たちなんですよね。

この本を読みながら、自衛隊の方々の存在が、私にとってぐっと身近に感じられるようになりました。戦後の掃海作業で命を落とした方々の話も、まったく知らなかったことで、驚きと同時に深い敬意を覚えました。戦争という大きな出来事がなくとも、彼らは日々命をかけて仕事をしているんだと改めて考えさせられました。

日本の未来を考えるきっかけとして

この本を通じて、私自身の中で「防衛」というテーマが大きく変わりました。これまでどこか他人事のように感じていた日本の防衛問題が、私たちの生活に直結する現実であることを痛感しました。「なぜ日本は原子力潜水艦を持たないのか」といった具体的な議論も、今まで考えたこともなかった話題で、非常に考えさせられました。

著者たちの告白を通して感じたのは、私たち一人ひとりがもっと現実を知り、考え、議論していかなければならないということです。特に、現状に対する漠然とした不安を抱えて終わるのではなく、どうすればより良い未来を築けるのか、自分にできることは何かを考えるきっかけになりました。

自分自身の気づきと変化

読み終わった今、自分の中に大きな変化が起きたように感じます。これまで政治や防衛の話題にはあまり興味を持たずに生きてきましたが、今では少しでもいいから、自分から情報を集め、理解を深めたいと思うようになりました。ニュースを見ても、以前よりも深く考えるようになった気がします。

この本を通じて得た気づきは、私にとって計り知れない価値があります。防衛というテーマに限らず、普段目を向けていなかった事柄にも興味を持って、自分の視野を広げていきたいと心から思いました。正直、まだまだ知らないことばかりですが、それを知ることの楽しさも、この本が教えてくれたように思います。

高橋 湊

高橋 湊

静かに本と向き合うのが好きな会社員。ノンフィクションや地方の物語を読みながら、自分の暮らしを少しずつ耕しています。派手さはないけれど、じわじわ染みる本が好きです。

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