ノンフィクション
2025年07月08日 21時41分

「投資の本質に触れる旅:『これからパンローリングの投資本を読む人へ』で見つけた私自身の投資スタイル」

こんにちは。北海道の小さな町で書店員をしている私は、幼い頃から本を生活の一部としてきた人間です。読書家の祖父の影響で、昔話や民話に囲まれて育ちました。そんな私が今回手に取ったのは、塩見努さんの『これからパンローリングの投資本を読む人へ』という一冊です。

この本は、投資の成功に必要な「思考と姿勢」に焦点を当てています。特に、投資を始めたばかりの方や、なかなか成果が出ずに悩んでいる「万年初級者」に向けた内容です。著者の塩見さんは、ファイナンシャル・プランナーとしての豊富な経験をもとに、投資の心理、手法、資金管理の三位一体を自力で構築することの重要性を説いています。

投資の世界へと誘う、心の旅

本書を読み進めるうちに、私は不思議な旅をしているような気持ちになりました。投資の話なのに、まるで心の奥底に眠っていた何かを探しに行くような感覚です。「答えだけを求めるな」というメッセージに触れたとき、私は自分の日常における迷いや不安を思い返しました。投資だけでなく、人生そのものが自分で切り開くしかないのだと改めて思い知らされます。

「万年初級者」からの脱却

本書の中で、私が特に心に残ったのは、「万年初級者」の思考と行動パターンについての記述です。「自分は特別」という思い込み、失敗を他人や相場のせいにする態度など、なんだか耳が痛い話ばかりです。でも、それが自分自身を見つめ直すきっかけになりました。投資に限らず、何か新しいことを始めるとき、私たちはどうしても安易な答えを求めがちです。でも、著者はそんな私たちに、目の前の事実をしっかりと見つめ、地道に努力することの大切さを教えてくれます。

「脳ポートフォリオ」とは何か?

「脳ポートフォリオ」という言葉が本書の中で何度も登場します。これは、投資において「心理」「手法」「資金管理」の三位一体を意味します。スポーツで言う「心・技・体」にも通じるものです。この三つの要素が揃って初めて、投資の世界で生き残ることができるのだと、著者は語ります。

私自身、これを読んで、自分の生活における「心・技・体」を考えてみました。日々の中で、どうすれば心を整え、技術を磨き、限られた資金を管理できるのか。それは、投資だけでなく、日常生活においても重要な課題です。例えば、絵本の読み聞かせをするとき、子どもたちの反応を見ながら、どうやってその場の雰囲気を作り出すか。そんなことも、実は「脳ポートフォリオ」なのかもしれません。

感情をコントロールし、地道に進む

投資には、感情をコントロールすることが不可欠です。著者は、「準備に9割、実際の売買に1割の時間をかけるべき」と教えています。これを初めて読んだとき、私は「投資ってそんなに準備が大切なの?」と驚きました。でも、考えてみれば、これは何にでも当てはまることです。何かを始める前にしっかりと準備をし、計画を立てる。これこそが、成功への鍵なのです。

また、プロスペクト理論に代表されるように、人間の心理は時に投資において不利に働きます。だからこそ、感情のサイクルに飲み込まれないために、常に冷静な判断を心がけることが大切です。私はこの本を読みながら、日々の生活の中でどれだけ感情に振り回されているかを振り返りました。例えば、忙しい日々の中でついイライラしてしまうことも、実は感情のコントロールができていない証拠かもしれません。

塩見さんの教えは、投資のテクニックだけでなく、日常生活にも通じるものがありました。それは、地道な努力と研究がいかに大切かということです。投資本を「研究材料」として、自分なりの疑問を持ち、検証する。これは、本を読むときにも同じです。私は本を読むたびに、新しい視点を得て、日々の生活に活かしています。

この本は、ただの投資本ではありません。読んでいくうちに、自分自身と向き合い、心の奥深くにあるものを見つけ出す旅に出ているような気がしました。投資を始める人だけでなく、何かを始めようとしているすべての人に、この本はそっと手渡したい一冊です。読んでみて、「なんだか、心にやさしい読書でした」と思えるような、そんな一冊です。

rio_reads

rio_reads

北海道の小さな町で、静かに本を手渡す日々を送っています。子どもの頃、祖父にたくさんの昔話を読んでもらったことが、今でも心の芯に残っています。流行の本よりも、少し古びた本や、静かに棚の奥に佇む本に惹かれます。

物語の余韻や、そっと心に残る言葉を大切にしたい。そんな気持ちで、読んだ本をゆっくり、ていねいに紹介しています。派手ではないけれど、誰かの暮らしをちょっとだけあたためる、そんな本と出会えたら嬉しいです。

タグ
#人生計画
#心理
#成長
#投資
#自己啓発