大林宣彦監督と過ごした日々が教えてくれたこと〜心に響く「ぼくの大林宣彦クロニクル」〜
はじめに、心を動かされた出会い
最近、森泉岳土さんの「ぼくの大林宣彦クロニクル」を読んで、なんだか心の奥底がじんわり暖かくなりました。この本は、著者が義理の父である大林宣彦監督との暮らしを通じて感じたことや学んだことを、愛情たっぷりに綴ったエッセイです。私は単なる読者でしかないけど、この本を通して、まるで監督と直接お会いしたような気持ちになりました。
義理の父との関係って、ちょっと複雑なものだと感じることもあります。私の場合は、義理の父とはなかなか言葉を交わす機会が少なかったんです。だから、著者のように義理の父との特別な関係を築くことができたのは、本当に羨ましい限りです。
大林監督の言葉の力
この本には、大林監督の印象的な言葉がたくさん載っています。特に、「映画とは対話です」という言葉が心に残りました。映画がただの映像ではなく、観る人の心の中で完成するものだという考え方は、なんだかとても詩的で素敵だと思いました。こういう考え方が、大林作品の独特な魅力を生み出しているんですね。
私も昔、映画館で観た一本の映画に涙を流したことがあります。それは、映像やストーリーが私の心に深く響いた瞬間だったんです。大林監督の言葉を読んで、あの時の感動が蘇ってきました。映画って、観る人それぞれが自分の物語を紡ぎ出すことができるものなんだなぁと改めて感じました。
義理の父との日々を思い出す
この本を読んでいるとき、自然と私自身の義理の父との思い出が蘇りました。彼は寡黙な理系のエンジニアで、私とは正反対の性格でした。それでも、帰省すると私のためにお酒を用意してくれていたことを思い出します。彼なりの優しさだったんだなぁと、今になってしみじみ感じます。
もしもっとたくさんの言葉を交わしていたら、私たちの関係はどう変わっていたのでしょう。それを考えると少し切ない気持ちにもなりますが、黙って一緒にいる時間も大切だったんだと、今は思っています。
新たな才能の予感
森泉岳土さんの文章には、どこか温かみがあって、心にスッと入ってきます。彼はすでにマンガ家としても活躍していますが、このエッセイを読んで、文筆家としても大いに才能があると感じました。大林監督が彼を「ことばの人」と評したのも納得です。
彼のマンガもユニークで、ぜひ読んでみてください。独自の手法で描かれた作品は、まるで絵画のように美しいです。私も彼の短編集を手に取ってみて、その独創的な世界に浸りたいと思います。
この本を通じて、大林宣彦監督という偉大な存在を心の中に深く刻むことができました。そして、義理の父との関係についても、改めて考えるきっかけになりました。本当に読んでよかったと心から思います。