『ロジカル・プレゼンテーション』が教えてくれた、心を動かすプレゼンの秘密
こんにちは。今日は『ロジカル・プレゼンテーション』という本についてお話ししたいと思います。この本、最初は少し身構えたんです。ビジネス書って、どうしてもハウツーや理論に偏りがちなイメージがあって、私のような昔からの読書好きにとってはどこか冷たい感じがしたんですよね。でも、実際に読んでみると、意外と心に響く部分が多くて、ちょっと驚きました。
心に引っかかる問いかけ
本を開くと、最初に「なぜあなたの提案は通らないのか?」という問いかけが出てきます。その言葉に、なんだか心がざわつきました。私自身、書店で新しい企画を考えることもありますが、上手く伝わらずに終わってしまった経験が何度もあるんです。それを思い出して、「ああ、これって私のことかもしれない」と思わずにはいられませんでした。
この本では、提案の通らない理由を「技術」の不足として捉えています。技術というと堅苦しいですが、著者の高田貴久さんは「考える力」と「伝える力」のバランスが大切だと説いています。これがまた、私が日々感じていることそのものでした。何かを考えることは好きなんですが、それをどうやって人に伝えたらいいのか、いつも迷ってしまうんですよね。
本当にそうなの?それだけなの?
提案が通らないとき、人は「本当にそうなの?」とか「それだけなの?」って思うものだと本書は教えてくれます。この言葉がなぜかずっと頭に残っています。私の祖父も、昔よく似たようなことを言っていました。「人に何かを伝えるときは、相手が何を知りたいのか考えなさい」と。祖父は地元の民話を集めていて、いつも誰かに話を聞かせては「どう思う?」と問いかけていました。あの頃は何とも思っていなかったけれど、今になって、その大切さが少しわかるようになった気がします。
縦の論理と横の論理、どちらも大切なんだと本書は繰り返し教えてくれます。そして、それを実際にどう使いこなすかは、まるで祖父が話してくれた昔話のように、何度も繰り返し練習することで少しずつ身についていくものなんだと感じました。
仮説検証のステップ
この本の中で特に印象に残っているのが、仮説検証のステップです。「ヤマカンの答え」を立てて、それをどうやって検証していくか。最初は何だか難しそうに見えましたが、実際のビジネスの場だけでなく、日常の中でも使えそうな気がしてきました。例えば、書店の棚に新しい本を並べるとき、この本が売れるかどうかを仮説と考えて、その反応を見てみる。そんなふうに考えると、少しワクワクしてきます。
そして、何よりも大事なのは、相手の疑問にしっかりと答えること。これは本当に難しいことですが、だからこそ、その技術を磨くことに意味があるんですね。私も、もう少し自分の考えをしっかり持って、伝えられるようになりたいと強く思いました。
伝える力を磨くために
そして、やっぱり「伝える力」についても考えさせられます。私は普段、書店の片隅で子どもたちに絵本の読み聞かせをしていますが、そのときに大切にしているのが「その子にとって何が面白いのか?」ということ。まさにこの本が教えてくれることと通じるんですね。相手の反応を見ながら、どこで笑うのか、どこで驚くのか、常に考えています。
本書では、会議や資料にも「伝える技術」が必要だと書かれています。資料を作るときは、情報をシンプルに、でも誤解されないように工夫することが大事なんですね。これも、私が絵本を選ぶときに似ています。たくさんの本の中から、どれを選んでどう伝えるか。本の選び方ひとつで、子どもたちの反応が変わるのを何度も見てきました。
最後に、この本を通じて思ったのは、どんなに良い考えやアイデアがあっても、それを伝える力がなければ意味がないということです。逆に、伝える力があれば、どんなに小さなことでも大きな影響を与えられるかもしれない。そんなふうに考えると、なんだか勇気が湧いてきます。
『ロジカル・プレゼンテーション』は、ビジネスの世界だけでなく、日常生活でも役立つ一冊です。心に引っかかる問いかけがあり、そしてその解決策を丁寧に教えてくれる。こんな本が、もっと多くの人に読まれるといいなと心から思います。これからも、心にやさしい読書を続けていきたいです。