エッセイ
2025年09月26日 09時40分

『「九月」を生きた人びと』に心を動かされた–過去を見つめ、未来を考える旅

こんにちは!今日は、ちょっと特別な本の話をしようと思います。『「九月」を生きた人びと 朝鮮人虐殺の「百年」』という本を読んだんです。もう、なんと言えばいいのか、心が揺さぶられました。普段は小説やエッセイを読むことが多い私ですが、たまにこういったノンフィクションに触れると、まったく違う感情の波が押し寄せてきます。

歴史の重みを感じた瞬間

この本を手に取ったのは、最近のニュースでデマや偏見が話題になっているのを見たからなんです。なんだか、他人事じゃないなと思って。私たちが生きている今の日本社会は、100年前とどう変わったのか、それとも変わっていないのか。そんなことを考えながらページをめくりました。

本書では、関東大震災の後に起きた朝鮮人虐殺という、非常に重いテーマが扱われています。最初は読むのに勇気がいりました。でも、著者の加藤直樹さんが、事実に丁寧に向き合い、語り継ぐべき物語として描いているのを感じて、少しずつ「この歴史を知って良かった」と思えるようになりました。

心を揺さぶる「語られなかった歴史」

読んでいて、何度も立ち止まってしまうことがありました。「あ、これ、ちゃんと知らなかったな」って。普段の生活では意識しないような、歴史の暗い部分に光を当てることで、私たちが見ないようにしてきたものが見えてくるんです。

特に印象的だったのは、「実は私の祖父が」と語り始める人々の存在です。まるで映画の中の出来事みたいに思えるけれど、実際には私たちの祖先が体験してきたことなんですよね。どんなに時代が変わっても、彼らの声を無視することはできないと強く感じました。

過去と向き合うことの大切さ

本を読み終えて、ふと思い出したのは、祖父母の家で聞いた昔話です。あの時代を生き抜いた彼らの話って、どこか現実味がなくて、子供の頃はただの「昔の話」でした。でも、この本を読んでから、もう一度じっくり聞いてみたいなと思うようになりました。語られない歴史って、個人の歴史の中にもたくさんあるんですね。

私たちが日常で気軽に過ごしている裏側で、いろんな人のいろんな思いがあって、それが積み重なって今の社会がある。そんな当たり前のことを再確認できた気がします。そして、過去を見つめ直すことが、未来への一歩になるんだと。この本を読んで、そんな小さな気づきをもらいました。

もし、少しでも興味を持ったら、ぜひ手に取ってみてください。きっと何か感じることがあると思います。歴史を学ぶことは、他人ごとじゃなく、自分たちの話なんですね。それを胸に刻みながら、日々を大切に過ごしていけたらな、と思います。

咲

本を読むのが、とにかく好きです。小説、ノンフィクション、マンガ、絵本、自己啓発、レシピ本まで、なんでも気になる「ジャンル雑食派」。休日はよく本屋さんやカフェで一日過ごしています。

「本はもっと気軽に読んでいい!」が私のモットー。本を難しく語りすぎるのはちょっと苦手で、「楽しい」「泣いた」「めっちゃ好き!」と素直に感じたまま、書評を書いています。

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