「2035年最強の働き方」とは? – ひろゆき氏の哲学に触れて思うこと
本を読み終えた時、その本が自分の中に何を残したのかをじっくり感じ取るようにしています。この『僕が若い人たちに伝えたい 2035年最強の働き方』は、まさにそんな一冊でした。ひろゆき氏の名前を聞くと、どうしてもその辛辣なコメントやネット掲示板の管理者としての姿を思い浮かべてしまいがちですが、本書を読んでみると、彼の考え方がずっと柔軟で、そして親しみやすいものだと感じました。
「働くことは義務じゃない」
この言葉を目にした時、正直なところ、少し戸惑いました。というのも、私はずっと「仕事は生活の中心」という考え方に縛られていたからです。日本の社会では、仕事に対する義務感が強いし、私自身もその一部だったかもしれません。でも、ひろゆき氏は「仕事で不幸になるくらいならやめたほうがいい」と断言する。その姿勢に、どこか救われる気持ちがしました。
彼の哲学は、「自分を最優先にすること」と「選択肢を増やすこと」の重要性を説いています。これを読んで、学生時代に訪れた東北の町で出会った一人の漁師のことを思い出しました。彼は「魚が獲れなくなったら、他のことをすればいい」と、まるで当たり前のように言っていたんです。それがほんの些細な会話だったのに、今でも私の胸に残っているのは、その言葉に選択肢の幅広さを感じたからかもしれません。
大卒資格と英語力の「コスパ」
ひろゆき氏は、「大卒資格」と「英語力」を最強の武器として挙げています。これに関しては、私自身も実感があります。大学で学んだことそのものよりも、そこで得た「学ぶ姿勢」が、その後の人生でどれほど役立ったか。そして、英語力は、情報収集の幅を広げるだけでなく、新たな世界との接点を作ってくれました。
ただ、ここで思い出すのは、英語の勉強に挫折し続けた友人のことです。彼は「英語なんて、できなくても生きていける」と言っていましたが、それでも彼の目の奥には、英語を話す人々への憧れが微かに見えていました。その時の彼の顔を思い出すと、ひろゆき氏の言葉が、彼のような人にとっても一つの指針になればいいなと思わずにはいられません。
日本の未来と海外という選択肢
本書の中で最も心に残ったのは、ひろゆき氏が提案する「海外で暮らす」という選択肢です。これを読んで、私の心は少しざわつきました。というのも、長い間「日本で生きること」が当然だと思っていたからです。でも、彼の言う通り、世界は広大で、多様な価値観が存在します。この本を読んで、なんだか自分の視野が広がったように感じました。
実際、私自身も旅行で訪れた海外の町で、まったく異なる文化や生活様式に触れた時の驚きや感動は忘れられません。ひろゆき氏が勧める「加点主義」を念頭に、海外の良いところを見つけることができれば、もっと自由に、もっと幸せに生きられるんじゃないかと思います。
この本を読み終えてから、私は何度も「自分はどう生きたいのか」を考えました。ひろゆき氏のメッセージは、単なる働き方の指南書ではなく、自分自身の生き方を見つめ直すきっかけを与えてくれるものです。皆さんも、もしこの本を手に取ることがあれば、ぜひ自分の心の声に耳を傾けてみてください。