『本の雑誌血風録』に揺さぶられた、私と本の距離感
初めての出会いと衝撃
こんにちは、福岡出身の読書好き、20代後半の男です。普段はエンジニアとして働いていますが、今日は私の心を大きく揺さぶった本、『本の雑誌血風録』についてお話ししたいと思います。
この本と出会ったのは、友人から「これは読んでおけ」と半ば強制的に渡されたのがきっかけでした。普段、ノンフィクションやエッセイを好んで読む私にとって、椎名誠さんの作品はどこか遠い存在のように感じていたんです。でも、読み始めてすぐにその考えは吹き飛びました。まるで目の前で生き生きと動き回るような文章に、どんどん引き込まれていったんです。
この本は、雑誌『本の雑誌』を立ち上げた人々の奮闘記です。文章の中に、彼らの情熱や失敗、そして小さな成功が詰まっていて、読むたびに自分もその場にいるような錯覚を覚えました。と同時に、理系出身の私が体験してきた論理的な世界とは全く違う、情熱だけで突っ走る姿勢に驚きと共感を覚えました。
思い出す若き日の情熱
この本を読んでいると、大学時代の自分を思い出します。理系の道を選び、毎日数式やコードと向き合っていた頃、ふとしたきっかけで手に取ったノンフィクションが私の人生を変えました。本を読むことで、世界の広さや多様性を知り、自分の視野がどんどん広がっていくのを感じました。それまでの狭い世界観から解放されて、まるで新しい景色が見えたような気がしました。
『本の雑誌血風録』を読んでいると、その時の感覚が再びよみがえります。椎名誠さんたちが雑誌を立ち上げる過程で感じたであろう高揚感や不安、そして喜び。彼らの一歩一歩に、かつての自分を重ねて見てしまうんです。
静かに心に響くメッセージ
この本の中で特に心に残ったのは、雑誌創刊にまつわるエピソードの数々です。彼らは決して完璧な計画を持っていたわけではなく、時には失敗もしました。しかし、その不完全さが逆にリアルで、共感を呼びました。雑誌を作るという行為が、ただの商業的なプロジェクトではなく、彼ら自身の生き方そのものであるように感じたのです。
私たちの生活もまた、完璧ではありません。毎日が発見で、予想外のことが起こるのが常です。でも、そんな中で自分の信じる道を歩み続けることが大切なんだと、この本は教えてくれました。
この本がくれたもの
最後に、この本が私にくれたものについて少しだけ。この本を通じて、私は「本を読む」という行為が単なる知識の吸収ではなく、自分自身との対話であることを再確認しました。ページをめくるたびに、椎名誠さんたちと対話しているようで、彼らの情熱や思いが静かに心に響いてきました。
そして、読後にじわじわっと感じるのは「自分も何かを始めてみたい」という気持ちです。この本に触発されて、新しい挑戦をしてみようと思うようになりました。派手ではないけれど、確実に心の中で何かが変わったと感じています。
『本の雑誌血風録』は、静かに、それでいて熱く私の心を揺さぶってくれた一冊です。もしも、あなたが何か新しいことを始めたいと思っているなら、この本を手に取ってみてください。きっと何かのヒントが見つかるはずです。