エッセイ
2025年12月05日 15時08分

『朝イチの「ひとり時間」が人生を変える』で見つけた、心を整えるひととき

こんにちは、北海道の片隅で書店員をしている者です。今日は、私が最近読んだ一冊の本についてお話ししたいと思います。その本のタイトルは『朝イチの「ひとり時間」が人生を変える』。著者は米国弁護士のキム・ユジン氏で、彼女の生き方に触れることで、私自身の生活にも新たな風が吹いたような気がしています。

この本を手に取ったきっかけは、忙しい日々の中で「自分の時間がない」と感じることが多かったからです。店に来るお客さんたちも、時折そんな風に呟いているのを耳にします。そんな時、この本のタイトルが目に留まりました。「朝イチの時間が人生を変える?」と半信半疑でしたが、なんとなく惹かれるものがありました。

朝の静けさに包まれて

著者のキム・ユジンさんは、毎朝4時30分に起きる「明け方起床」を実践しているそうです。最初にこの話を読んだときの私の心境は、正直に言って「そんなに早く起きるなんて無理だなあ」というものでした。実際、私も朝は弱い方で、ベッドから出るのに苦労するタイプです。

でも、キムさんの言葉には、心に響く何かがありました。彼女は、朝の時間を「自分がコントロールできる時間」と表現しています。日中の時間は仕事や人間関係に追われて流されがちですが、朝のまだ誰も起きていない静かな時間は、まるで世界が自分だけのために存在しているかのような、特別なひとときだと言います。

私も、朝の静けさを楽しむのが好きです。まだ誰も起きていない町が徐々に目覚めていく様子を感じながら、コーヒーを飲む時間は、私にとっての小さな贅沢です。本を読んだ後は、その時間を少しだけ早めることを試してみることにしました。

5秒ルールと自己管理

早起きのコツとして紹介されていた「5秒ルール」も、なかなか面白いものでした。アラームが鳴ったら「5、4、3、2、1」とカウントダウンして起きる。シンプルですが、これが意外と効果的なんです。私も試してみると、考える前に体が動く感じがして、なんとなく楽しい気分になります。

この本を読んで、時間の管理というよりも「自己管理」が鍵だと感じました。著者も「時間は管理できない」と言い切っていますが、確かに時間そのものをどうこうするのは難しいですよね。でも、自分の行動や気持ちは、少しずつでも変えられる。そこに気づけたのは大きな収穫でした。

心の声に耳を傾けて

早朝の時間に何をするかは自由です。著者も、特別なことをする必要はないと語っています。私の場合は、まず自分の心に耳を傾けてみることにしました。「今、何をしたいのか」「何をすれば心が満たされるのか」そんなことを考えながら、手帳に思いついたことを書き留める時間を持つようにしています。

書店の片隅で好きな本に囲まれながら、静かにページをめくる時間もまた、私にとってかけがえのないひとときです。キムさんの本を読んでからは、その時間をほんの少しだけ早めることで、心の余裕を取り戻したように思います。

小さな変化がもたらすもの

この本を読み終えて、私は自分の生活に小さな変化を加えることができました。毎日が忙しく過ぎていく中で、静かな朝の時間を大切にすることで、心が整い、日常の中に小さな幸せを見つけられるようになりました。

『朝イチの「ひとり時間」が人生を変える』は、私にとって、心の季節を整えるきっかけとなった一冊です。もし、あなたも日々の忙しさに追われているなら、ぜひこの本を手に取ってみてください。もしかすると、あなたの心にも新たな風が吹き込むかもしれません。

rio_reads

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北海道の小さな町で、静かに本を手渡す日々を送っています。子どもの頃、祖父にたくさんの昔話を読んでもらったことが、今でも心の芯に残っています。流行の本よりも、少し古びた本や、静かに棚の奥に佇む本に惹かれます。

物語の余韻や、そっと心に残る言葉を大切にしたい。そんな気持ちで、読んだ本をゆっくり、ていねいに紹介しています。派手ではないけれど、誰かの暮らしをちょっとだけあたためる、そんな本と出会えたら嬉しいです。

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