退職後の人生をどう生きるか――『60歳からの生き方改革』が教えてくれたこと
定年後の人生って、どうする?
60歳って、人生の節目のひとつだと思うんです。私もそろそろ考える年齢になってきて、ふと立ち止まってしまいました。そんな時に出会ったのが、江上 剛さんの『60歳からの生き方改革』です。この本、ちょっとした啓示のように感じましたね。
著者が言うには、60歳で退職金をもらっても、まだまだ働くことをお勧めしているんです。まあ、確かに、急に仕事を辞めてしまうと、時間を持て余すのかもしれない。人とのつながりも薄くなってしまうし、何より社会との接点がなくなるのは寂しいですよね。
著者の友人の中には、学校の用務員やマンションの管理人になった人もいるらしいです。以前の役職とか給料とか関係なく、楽しんで仕事をしているっていうんだから驚きました。これを読んで、「ああ、仕事のやりがいって結局、自分の心の持ちようなんだな」と改めて思いましたよ。
退職金とどう向き合うか
退職金って、どう使うのがいいんでしょうね。私も考えたことがありますが、著者は、あまり投資に走るべきじゃないと言ってるんです。特に、元銀行マンだからこそ、手数料目的の投資信託には注意しろと。
実際、投資ってリスクがあるし、心労が多い。株価の変動に一喜一憂するのは、老後には向かないって話にはすごく共感しました。なんだか、安心して老後を楽しむためのヒントをもらった気がします。
それでも投資をするなら、分散投資がいいんだとか。預金、株、不動産で3分の1ずつ。こういう具体的なアドバイスって、実際に役立ちますよね。著者の視点がとても現実的で、信頼できるんです。
フリーランスのリアルな毎日
ところで、著者自身もフリーランスとして活動しているわけですが、そのルーティンがすごいんですよ。毎朝4時に起きて、仕事の合間に体操とジョギング。8時間机に向かうって、本当にストイック。それが、村上春樹さんを思い出させるんですよね。
私も一時期、フリーランスをやってみようと思ったことがありましたが、結局、安定した収入の誘惑に負けてしまいました。だから、こうしてフリーランスの作家として生きる姿勢には憧れを感じます。どんな仕事でも、やる気と情熱を持って取り組めば、充実した日々を送れるんだなと改めて思いました。
人のつながりを大切に
著者が特に強調しているのは、人とのつながりなんです。定年後に新しい仕事を探すなら、まずは人脈を活用しろって。ちょっと勇気がいるけれど、古い友人や知人に連絡を取ることが、新しい道を切り開くきっかけになるかもしれません。
私も、昔の友人に連絡することって、ちょっと照れくさいけど、実際に会って話すと、いつの間にか昔のように話せるんですよね。そんな時、「素のままの自分を認めてくれる」友人の存在が、どれだけありがたいものかしみじみ感じます。
この本を読んで、退職後の人生が漠然とした不安から、ちょっと楽しみなものに変わってきました。人生100年時代なんて言われる今、60歳からの生き方をどうするか、考えるのにぴったりの一冊です。