ビジネス書
2025年09月27日 03時15分

『非言語を言語化せよ』を読んで感じた、言葉と現実の不思議な関係

こんにちは、私は高橋湊と申します。今日は長倉顕太氏の『非言語を言語化せよ』を読んで感じたことを、私の経験も交えながらお話ししたいと思います。

言葉と現実の間で揺れる思い

この本を手に取ったとき、まず何よりもそのタイトルに惹かれました。「非言語を言語化せよ」という言葉には、なんとも言えない魅力があります。私自身、言葉では表現できない感情や経験がたくさんあると感じてきましたし、それをどうにか言語化してみたいという気持ちがずっとあったのです。

でも、正直に言うと、本書を読み進める中で何度も「本当にそんなことができるのか?」と疑問に思うこともありました。著者の主張は、言葉と現実が分離していることが人の成功を妨げているというもので、これを一致させるためにはまず「非言語」を言語化する力が必要だというのです。

私はこの部分を読んで、自分の過去を思い返しました。学生時代、言葉にできないもやもやした感情を抱えていたことがあり、それを無理やり言葉にしようとして苦しんだ経験があります。その時のことを思い出すと、著者の言う「非言語を言語化する」ことの難しさを改めて感じました。

情報発信の力を信じてみる

本書の中で印象的だったのは、情報発信の力についての考察です。著者は、情報発信を通じて出会いをコントロールし、人生を動かしていくことができると説いています。これには少し懐疑的でしたが、私自身ブログを書いている身としては、うなずける部分もありました。

例えば、私がブログである本の感想を正直に書いたとき、その記事を読んだ人から「あなたの文章に共感した」とコメントをもらったことがありました。その瞬間、自分が発信した言葉が誰かに届き、そこで新しい出会いが生まれるのだと実感しました。もちろん、すべての発信が成功するわけではないですが、その一つ一つが人生に何かしらの影響を与えているのだと考えると、少しずつ自信が湧いてきます。

リアルな自分を大切に

また、本書で特に心に残ったのは「最後に勝つのはリアル良い奴」という言葉です。私たちがいくら情報を発信しても、その裏にあるリアルな自分がきちんとしていなければ、結局は何も変わらないのです。私はこれを「自分に正直でいること」と解釈しました。

震災後にボランティアで東北を訪れたとき、そこに生きる人々の生活や文化に触れ、「本当の自分は何を大切にしたいのか」を考えさせられました。人との出会い、体験を通じて感じたことをどう言葉にし、どう生きていくか。それが私にとっての「リアル良い奴」としての生き方なのかもしれません。

考えるな、感じろ!

最後に、著者が強調する「考えるな、感じろ!」という言葉がとても印象に残りました。これはブルース・リーの有名な言葉ですが、まさにその通りです。私たちはつい頭で考えすぎてしまいがちですが、感じることを優先することで、新しい視点や気づきを得られるのです。

この本を読み終えて、私は改めて自分の日常を振り返り、もっと「感じる」ことを大切にしようと思いました。美術館に行ったり、音楽を聴いたり、心が動かされる瞬間を意識的に増やしてみたいと思います。

『非言語を言語化せよ』は、私にとって「言葉と現実の不思議な関係」を考えるきっかけを与えてくれた一冊でした。この本の内容がすぐに現実に役立つかはわかりませんが、少なくとも私の心には何か引っかかるものを残してくれました。そして、それこそが読書の醍醐味だと、私は感じています。

高橋 湊

高橋 湊

静かに本と向き合うのが好きな会社員。ノンフィクションや地方の物語を読みながら、自分の暮らしを少しずつ耕しています。派手さはないけれど、じわじわ染みる本が好きです。

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