「やりたいこと」の真実を探る旅:八木仁平の『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』の読後感
みなさん、こんにちは。今日は、ちょっと不思議な感覚に包まれた一冊についてお話ししたいんです。八木仁平さんの『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』を読んで、私自身、静かだけど心の奥でじわじわと感情が動くのを感じました。タイトルにある「やりたいことの見つけ方」って、正直なところ、そんなに簡単に見つかるものなのかと半信半疑でした。でも、読み進めるうちに、これはただの自己啓発本じゃない、人生のコンパスを手に入れるためのガイドブックなんだと気づかされたんです。
自分を知ることの大切さ
本書の核心部分は、「やりたいこと」を公式で導き出せるというところにあります。「好きなこと × 得意なこと × 大事なこと」という公式。それぞれがピースとなって、組み合わさることで、自分の本当にやりたいことが浮かび上がるんです。この公式を読んでいるうちに、ふと自分が学生時代に戻ったような気持ちになりました。
大学時代、私は理系の研究室にこもり、毎日実験に明け暮れていました。でも、心のどこかで「これが本当に自分のやりたいことなのか?」と問い続けていたのを思い出しました。その頃の私は、周りの友人たちが次々に「自分の道」を見つけていくのを見て焦りを感じていました。でも、今思えば、その焦りがあったからこそ、じっくりと自分と向き合う時間が持てたのかもしれません。
「好きなこと」との向き合い方
この本の中で特に印象に残ったのが、「好きなこと」は、必ずしも「役に立つこと」でなくていいというメッセージでした。私も昔、「役に立つことが好きであるべきだ」と思い込んでいた時期がありました。でも、八木さんの言葉に出会い、自分の中にある「本当に好きなこと」をもっと大切にしようと思えたんです。
例えば、休日にぼんやりと本を読む時間。これが私にとっての「好きなこと」です。決して派手じゃないし、直接的に役に立つわけではないけれど、この時間があるからこそ、自分の考えを整理したり、新しい視点を得たりできるんですよね。八木さんの本を読みながら、この大切な時間をもっと豊かにしていこうと心に決めました。
「得意なこと」を見つける旅
そして、「得意なこと」を見つけるという部分。これが意外にも難しいんですよね。八木さんは、得意なことを見つけるための質問をいくつか挙げてくれています。これを読んでいると、自分の「当たり前」が実は得意なことだったりするんだと気づかされます。
私は人と話すのが得意ではなく、むしろ物静かに考える方が好きでした。でも、この「物静かに考える」というのが、私の得意なことだったんですね。これに気付いたとき、じわじわと嬉しさが込み上げてきました。自分を変えようと努力するのではなく、自分を活かす努力をする。その視点の転換が、私の心に響きました。
「大事なこと」を軸に
最後に、「大事なこと(価値観)」について。これは、自分の人生の方向性を決める重要な要素で、まさにコンパスの役割を果たします。私にとって大事なことって何だろうと考えてみると、やはり「自分のペースで生きること」が浮かび上がってきました。
この本を読み終えて、自分の価値観を再確認することができました。焦らず、自分のペースで歩んでいく。その中で、好きなことを見つけ、得意なことを活かしていけばいいんだと、静かに自分を納得させることができたんです。
八木仁平さんの『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』は、書名の通りやさしく語りかけながらも、深い洞察を与えてくれる一冊でした。派手じゃないけど、これは良書です。じわじわ、心に染みてくる。そんな読後感を味わいたい方に、ぜひ手に取ってほしいと思います。