ビジネス書
2025年08月12日 09時16分

営業のリアルに触れる:心に響く「プロセス思考」

本との出会い

本を手に取ったのは、ある日図書館の棚を何気なく眺めていた時でした。「営業」とか「プロセス思考」とか、正直言ってピンとくる言葉ではありませんでしたが、その時は何故か心に引っかかりました。もともと営業の仕事に携わったことはないのですが、何か新しい視点を得られるのではないかという期待感がありました。

著者の藤岡晋さんが、かつてキーエンスでトップ営業マンとして活躍していたという経歴も興味を引きました。30年前の話とはいえ、営業という職業の本質は変わらないのではないかと感じたのです。読み進めるうちに、営業の具体的なプロセスがまるで映画のシーンのように目の前に広がっていくようでした。

心に残ったプロセス

特に心に残ったのは、既存顧客と新規顧客のバランスを取ることの重要性です。私たちはどうしても、慣れ親しんだ人間関係に安住しがちです。しかし、そこに留まっていては新しい何かを得ることはできない。藤岡さんの「売れない顧客と面談しない」という言葉は、私には新鮮で、同時に刺さるものでした。

この考え方は、営業に限らず人生そのものにも通じている気がします。新しい人と出会い、新しい場所に行くことの大切さ。自分の殻を破るためには、時にはリストを増やしていくことも必要なのだと、そんなことを考えさせられました。

実際に考えたこと、感じたこと

本を読んでいるうちに、私自身のこれまでの仕事や人間関係にも思いを巡らせていました。例えば、図書館での利用者との接し方も、ただ本を貸し出すだけではなく、もっとニーズを掘り下げることができるのではないか、そんな風に考えるようになりました。

「売れない顧客と面談しない」という考え方を、図書館の利用者に置き換えると少し違和感がありますが、要するに、相手のニーズをしっかりと見極めることが重要だということ。相手が何を求めているのか、どうすればもっと喜んでもらえるのかを考えることが、どんな仕事においても大切なんだと気付きました。

新しい視点の提供

この本を通して、営業という仕事の奥深さを知ることができました。それは単に商品を売ることではなく、人と人との信頼関係を築き、相手のニーズを満たし、さらに新しい可能性を見出すことなのだということ。そして、それはまさに人生そのものでもあるのだと思います。

読後、私は少しだけ自分の中の殻を破ってみようという気持ちになりました。新しい挑戦は時に怖いものですが、そこにこそ本当の価値があるのかもしれません。そして、この本を読んで感じたことを、これからの日々の中で活かしていきたいと思います。

藤岡さんの著書は、営業に携わる方にとってはもちろん、そうでない人にとっても、様々な気づきを与えてくれる一冊です。何よりも、読者に新たな視点を提供する力があると感じました。自分自身の人生を見つめ直すきっかけになること間違いありません。

高橋 湊

高橋 湊

静かに本と向き合うのが好きな会社員。ノンフィクションや地方の物語を読みながら、自分の暮らしを少しずつ耕しています。派手さはないけれど、じわじわ染みる本が好きです。

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