ビジネス書
2025年08月12日 03時24分

『201冊目で私が一番伝えたかったこと』を読んで、心が解き放たれる瞬間を感じた

こんにちは。北海道の小さな町で書店員をしている者です。読書は私にとって、まるで季節が巡るように心を整える時間です。今回、苫米地英人さんの『201冊目で私が一番伝えたかったこと』を手に取りました。最初は、タイトルの「201冊目」という数字に興味を引かれたのです。本を書き続けるというのは、一体どんな思いなのでしょうか。

心に響く「洗脳社会」の指摘

この本を読んで、私が最初に引っかかったのは「洗脳社会」という言葉です。苫米地さんは、私たちが親や社会から無意識に刷り込まれた信念に従って生きていると指摘します。それを「奴隷の人生」と呼ぶのです。私は少し驚きました。自分の意志で選んでいると思っていたことが、実は他人の価値観の影響だったかもしれないなんて。

昔、祖父がよく話してくれた昭和の民話の中には、似たようなテーマがあった気がします。村の掟に従って生きることが美徳とされていた時代の話。でも、その中で自分自身を見つけ、自由に生きることの大切さを語る物語がありました。この本を読みながら、そんな昔話がふと頭をよぎりました。

ゴール設定のすごさとその魔法

苫米地さんが強調する「現状の外にゴールを設定する」という考え方は、私にとって新鮮でした。普段、私たちはどうしても現実的な目標を立てがちですよね。でも、それって本当に自分の望むことなのか。他人の期待に沿っただけのものかもしれません。

例えば、私の場合、本屋の仕事をするのは好きですが、もっとたくさんの人に本の魅力を伝えたいという漠然とした思いがあります。これを「現状の外のゴール」として設定することで、何かが変わるのかもしれない。そんな希望を抱かせてくれました。

私が子どもの頃、祖父が「大きな夢を持ちなさい」とよく言っていました。しかし、具体的にどうやればいいのかは教えてくれませんでした。この本は、その部分を補ってくれるような気がします。心から「これがやりたい!」と思えるゴールを見つける旅は、きっと楽しいものになるのでしょう。

「コンフォートゾーン」を考えてみる

「コンフォートゾーン」という言葉も興味深いです。私たちが慣れ親しんだ状態から抜け出すことは、実際には大変なことです。脳が無意識に現状を維持しようとするなんて、ちょっとずるいですよね。

でも、苫米地さんはその脳の性質を上手に利用して、ゴール達成に役立てる方法を教えてくれます。例えば、年収を増やしたい人が「年収1億円を稼ぐ自分」を新しいコンフォートゾーンに設定するという話。それを聞いて、私は自分の生活にも当てはめて考えてみました。例えば、「今の自分が当然と感じる生活水準をどう変えていくべきか」など。

この本を読み進めるうちに、私の中で「変わらなければ」という思いが少しずつ芽生えてきました。何かを変えることは怖いけれど、同時にワクワクすることでもありますよね。

終わりなき旅路を歩むということ

本の最後で苫米地さんが語る「自由意志の獲得」というテーマは、とても大きなものでした。これまでの自分の選択が本当に自由意志によるものだったのか、改めて問い直すきっかけになりました。

自由意志を持ち、終わりなきゴールを追い続ける人生。それがどれほど豊かで刺激的なものかを考えると、心が少し軽くなるような気がしました。何かを達成した時に次のゴールを設定すること。それはまるで、ずっと続く旅のようです。これを聞いて、私は心の中で小さな旅立ちを決意しました。

この本を通じて、自分の人生の新しい道筋を見つける手助けができた気がします。苫米地さんの言葉を胸に、私はこれからも日々を大切にしながら、少しずつ自分のゴールを探し続けたいと思います。

なんだか、心にやさしい読書でした。この本をそっと本棚に置いておきたい一冊です。

rio_reads

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北海道の小さな町で、静かに本を手渡す日々を送っています。子どもの頃、祖父にたくさんの昔話を読んでもらったことが、今でも心の芯に残っています。流行の本よりも、少し古びた本や、静かに棚の奥に佇む本に惹かれます。

物語の余韻や、そっと心に残る言葉を大切にしたい。そんな気持ちで、読んだ本をゆっくり、ていねいに紹介しています。派手ではないけれど、誰かの暮らしをちょっとだけあたためる、そんな本と出会えたら嬉しいです。

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