ノンフィクション
2025年08月11日 21時07分

「金持ち脳」への旅路:苫米地英人の本から学ぶ、心の豊かさ

こんにちは、北海道の小さな町で書店員をしている者です。今日は、苫米地英人さんの『金持ち脳~捨てることから幸せは始まる~』という本を手に取ってみた感想をお話ししたいと思います。この本、最初はタイトルにちょっと抵抗がありました。なんだか、いかにもビジネス書っぽい印象があって。でも、ページをめくるうちに、思わず引き込まれてしまったんです。

お金の洗脳から解放されるために

この本の最初の方で、苫米地さんが「お金持ちになりたい」という願いが、実は国家やメディアによる「経済洗脳」だと喝破しています。私はこの部分を読んで、なんだか不思議な気持ちになりました。というのも、私たちが日々当たり前のように抱えるお金の不安や欲望が、実は外部から植え付けられたものかもしれない、という考えに驚かされたからです。

思い返せば、私も子どもの頃から「お金がないと大変」という漠然とした恐怖感を抱いていました。でも、苫米地さんはそんな恐怖が、実は意図的に仕掛けられたものだと言うのです。考えてみれば、生活保護制度や最低限の暮らしを保障する仕組みがある日本で、餓死する人なんてほとんどいませんよね。それなのに、なぜ私たちはお金に怯えるのか。苫米地さんの言葉に、心の一部がハッと目覚めたような気がしました。

「欲しい」は本当に自分の欲望?

次に苫米地さんが問いかけるのは、私たちの消費行動についてです。「欲しい」と思っているものが本当に自分の欲望なのかどうか。この部分を読んで、思わず笑ってしまいました。というのも、私自身も何かを買うときに、よく考えずに「これがあれば幸せになれる」と思い込んでいたことが多々あるからです。

苫米地さんは、特にテレビがその欲望を刺激する大きな要因だと指摘します。テレビドラマや映画で描かれるライフスタイルが「理想」として刷り込まれることで、私たちは無意識のうちにその影響を受けてしまうのです。テレビを消して、本を読むことがどれほど有益か、この本を通じて改めて感じました。本ならではの、静かで深い思考の旅が、私たちの心の豊かさを育ててくれるのだと思います。

「金持ち脳」への道

苫米地さんが提案する「金持ち脳」への道は、実にシンプルです。テレビを消す、本を読む、買い物の基準を「機能」に絞る。これらは、すぐにでも始められることばかり。私もさっそくテレビのリモコンを置き、本を手に取りました。そして、買い物をするときには「これは本当に必要な機能を持っているのか?」と自問するようになりました。

苫米地さんが語る「好きなことを仕事にする」という考え方も、心に響きました。私は本が大好きで、書店で働くことを選んでいますが、やっぱり「天職」と言えるほどの自信はありません。でも、仕事を通じて感じる小さな幸せや、子どもたちに本を手渡す喜びを大切にしたいと思いました。やりたいことを追求することで、心の豊かさが広がるのだと、この本を読んで改めて実感しました。

本当の幸せは何を「捨てる」か

この本を閉じるとき、「何を捨てるか」というテーマが、私の心に静かに残りました。苫米地さんが繰り返し伝えるのは、不要な価値観や欲望を捨てることの大切さ。私たちは、何かを手に入れることばかりに目を向けがちですが、捨てることから始まる幸せもあるのです。

苫米地さんの『金持ち脳~捨てることから幸せは始まる~』は、ただお金持ちになるための方法が書かれている本ではありません。それは、私たちが本当に豊かな人生を送るために、見えない檻から解放されるためのヒントを与えてくれる一冊です。忙しい毎日の中で、ふと立ち止まり、心の豊かさについて考える時間をくれる本として、そっと本棚に置いておきたいと思います。

rio_reads

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北海道の小さな町で、静かに本を手渡す日々を送っています。子どもの頃、祖父にたくさんの昔話を読んでもらったことが、今でも心の芯に残っています。流行の本よりも、少し古びた本や、静かに棚の奥に佇む本に惹かれます。

物語の余韻や、そっと心に残る言葉を大切にしたい。そんな気持ちで、読んだ本をゆっくり、ていねいに紹介しています。派手ではないけれど、誰かの暮らしをちょっとだけあたためる、そんな本と出会えたら嬉しいです。

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