「5%リーダー」に私が見たもの:心に残る人間性と思い出
本を読んでいると、時に自分の中で何かが引っかかることがあります。古田英明さんの『5%リーダー』を手に取ったとき、私はまさにそんな感覚を覚えました。経営やビジネスの本を普段はあまり読まないのですが、何か心に残るものがあるかもしれないと感じたのです。
経営における「人間性」とは何か?
この本では、経営者やリーダーとしての資質について深く掘り下げています。何よりも印象的だったのは、「人間性」の重要性が強調されている点です。著者は、経営者が単に業績を上げるだけでなく、人の心を動かす存在であるべきだと言います。
私がこの部分に心を動かされたのは、かつての上司のことを思い出したからです。出版社で働いていた頃、私たちのチームを率いていた上司は、まさに人間性に溢れた人でした。彼の決断は常に人を思いやるもので、時に非効率に見えることもありましたが、結果として多くの人が彼を信頼し、ついて行くのです。
この本を読みながら、彼のリーダーシップが、まさに「5%リーダー」と呼ばれる存在に近かったのではないかと考えさせられました。
「5%リーダー」が教えてくれること
本の中で取り上げられている「5%リーダー」という概念は、他の95%の人々を支えるだけの能力と志を持った人物として描かれています。これは、単に優れたリーダーというだけでなく、組織全体の成長を促進するためのカリスマ性や先見性を持った存在を指します。
この考え方に触れたとき、私は東北の震災後にボランティアで訪れたときのことを思い出しました。あの時、地域の方々が互いに支え合い、助け合って生活を再建していく姿を目の当たりにしました。リーダーシップというのは、必ずしも職位に限らず、どんな状況でも必要とされるのだと痛感したのです。
本書は、そんなリーダーの役割をただの管理職以上のものとして捉えることを教えてくれます。まさに、人生のあらゆる場面でリーダーシップの重要性を感じさせてくれる一冊です。
心に残る言葉と自分への問い
読書の楽しみのひとつは、心に残る言葉に出会うことです。この本にはいくつかの名言がありましたが、特に「物事をどうやって解決するかは、最終的には自分で考え、自分自身で答えを出すほかありません」という言葉が強く心に残りました。
この言葉を読んで、自分が何か問題に直面したときにどう対処しているかを振り返ってみました。ありがちなことですが、つい他人の意見に頼ったり、判断を後回しにしたりしてしまうことがあります。しかし、最終的には自分の決断が求められることを改めて認識し、自分の行動に責任を持たなければならないのだと感じました。
こうした自問自答ができるのも、読書の醍醐味ですね。本を読みながら、まるで著者と対話しているような感覚になり、本と自分の距離がぐっと近づく瞬間です。
まとめと余韻
『5%リーダー』は、単なるビジネス書ではなく、人生の指針を与えてくれるような本でした。古田英明さんの言葉を通じて、リーダーシップの本質や人間性の大切さを考えさせられることが多く、読み終えた後も心の中で何度も反芻しています。
皆さんにこの本をお勧めする理由は、決して「こうすべきだ」という押し付けを感じさせないところです。むしろ、自分の中にあるリーダーシップをどう引き出すかを優しく問いかけてくれるような、そんな印象を受けました。
もし、あなたが今何かを決断しようとしているなら、この本を手に取ってみてください。きっと、あなたの中の何かが動かされるはずです。