ノンフィクション
2025年07月19日 03時31分

『人生にお金はいくら必要か』の書評

【タイトル】
『人生にお金はいくら必要か』を読んで感じた、私の心の旅

【本文】

こんにちは、北海道の小さな町で書店員をしている私です。今日は、少し変わった本を手に取りました。『人生にお金はいくら必要か』という、何とも直球なタイトルの一冊です。私は普段、どちらかというと「お金」についての本にはあまり手を伸ばさないのですが、この本はなんだか不思議と心に引っかかるものがありました。

老後2000万円問題に揺れたあの頃

2019年の「老後2000万円問題」、皆さんも覚えていますか?あの報道が流れたとき、私の周りでも「本当にそんなに必要なの?」とざわざわした声が飛び交っていました。私自身も祖父母や親の世代のことを考えると、どうしても不安になってしまって。だからこそ、この本が提案する「人生設計の基本公式」に興味を持ったのかもしれません。

本書では、あの騒動の背後にある「2000万円」という数字が、本当に一部の例に過ぎないということを教えてくれます。実際には、人それぞれの生活スタイルや収入、家族構成によって必要な額は違うのだと。私はこの部分を読んで、少し肩の力が抜けた気がしました。なんだ、私は私のペースで考えればいいんだと。

数字ではなく暮らしを見つめ直す

この本で印象的だったのは、ただ数字を提示するのではなく、私たちに「暮らしを見つめ直す」きっかけを与えてくれるところです。著者たちは丁寧に、どうやって自分自身の必要貯蓄率を計算するかを教えてくれます。具体的なケーススタディもあって、なんだか身近に感じました。

特に新入社員の山田くんの例は、私の心に残りました。若い頃からコツコツと貯蓄を続けることの大切さ。祖父はよく「小さな貯金箱でも毎日入れていれば重くなるもんだ」と言っていましたが、まさにその通り。これを機に、私ももう一度自分の生活を見つめ直してみようと思いました。

資産運用をシンプルに考える

そして、資産運用についても本書は実にシンプルなアプローチを提案してくれます。「長期・分散・低コスト」、この3つだけ覚えておけば大丈夫だと。私なんか、金融商品なんてさっぱりだったのですが、これならできそうな気がします。特に、必要な商品は3つだけでいいという部分には驚きました。世の中にはたくさんの金融商品がありますが、結局大切なのは自分に合ったものを選ぶことなんですね。

iDeCoとNISAの活用法も具体的で、なるほど、こうやって資産を増やしていくのかと感心しました。私はまだまだ勉強不足ですが、少しずつ知識を増やしていきたいと思います。

心に優しい読書でした

『人生にお金はいくら必要か』は、そんなに派手な本ではありませんが、私にはとても優しい一冊でした。数字に縛られるのではなく、自分の暮らしを大切にしながら、将来を見据えることの大切さを教えてくれました。この本はお金の本というより、「人生をどう生きるか」を考えさせてくれる、そんな本でした。

本棚の片隅にそっと置いておきたい一冊です。時々手に取って、自分の生活を見直すきっかけにしたいと思います。なんだか、心が少し軽くなった気がしました。

【カテゴリ】
ノンフィクション, ビジネス書, 自己啓発

【タグ】
資産運用, 老後資金, 人生設計, 貯蓄, お金の本

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北海道の小さな町で、静かに本を手渡す日々を送っています。子どもの頃、祖父にたくさんの昔話を読んでもらったことが、今でも心の芯に残っています。流行の本よりも、少し古びた本や、静かに棚の奥に佇む本に惹かれます。

物語の余韻や、そっと心に残る言葉を大切にしたい。そんな気持ちで、読んだ本をゆっくり、ていねいに紹介しています。派手ではないけれど、誰かの暮らしをちょっとだけあたためる、そんな本と出会えたら嬉しいです。