エッセイ
2025年06月13日 10時32分

アンドリュー・カーネギーの成功哲学に触れて:私が感じたこと、考えたこと

皆さん、こんにちは。今日は、アンドリュー・カーネギーの『超訳 アンドリュー・カーネギー 大富豪の知恵 エッセンシャル版』という本を読んで感じたことを、私なりにお話ししてみたいと思います。

カーネギーという人物との出会い

「カーネギー」と聞くと、すぐに思い浮かべるのはデール・カーネギーの『人を動かす』ですが、この本のカーネギーはアンドリュー・カーネギー、いわゆる「鉄鋼王」として知られる人でした。彼はスコットランドからの移民としてアメリカで大成功を収めた人物で、現代においてもその哲学は色褪せることがありません。

初めてこの本を手に取ったとき、正直に言うと「また成功者の自慢話か」と少し警戒していました。でも読み進めるうちに、彼の言葉の一つ一つがなんというか、心に引っかかってくるような感覚を覚えたんです。特に彼の「金持ちのまま死ぬのは、恥ずべきことだ」という言葉には、言いようのない衝撃を受けました。この言葉が、私にとってこの本の核心だったかもしれません。

「何をしたいか」よりも「何ができるか」

カーネギーの哲学の中で私が一番考えさせられたのは、彼が自分のキャリアを「何をしたいか」ではなく「何ができるか」から始めたということです。子供の頃は将来に対して漠然とした不安を抱えることが多かった私にとって、この考え方は目から鱗でした。

彼は12歳から働き始め、その時の給料がどれだけ誇らしかったかを覚えているそうです。私が初めてアルバイトをしたときのことを思い出しました。仕事は大変でしたが、自分の力で稼いだお金を手にしたときの感動は今でも鮮明です。カーネギーの「まずは自分ができることから始める」という姿勢は、私たちがよく迷ってしまう進路選択においても大切な指針になるのではないかと思います。

チャンスはその場で掴む

カーネギーの成功の要因の一つに「即断即決」の姿勢があります。彼はチャンスを見つけたら躊躇せずに掴むことで、自らの道を切り開いていきました。この姿勢は、私自身も見習いたいと強く感じました。大学生活の中で、多くの選択肢があるときに迷ってしまうことが多々ありますが、時には直感を信じて即座に動くことも必要なんだと、彼のエピソードから学びました。

例えば、あの時、友人に誘われて参加した読書会。最初は気乗りしなかったけれど、その場で「行ってみよう」と決めたことで、新しい友人ができ、今では読書を通じて人と語り合う楽しさを知ることができました。そういう瞬間って、人生を豊かにするのかもしれません。

「富の福音」とは何か

そして、カーネギーの哲学の中で最も印象的だったのが「富の福音」です。彼は、富は社会からの預かりものであり、それを有益に使うことが富裕層の義務だと説きました。この考え方は、現代の資本主義社会においても非常に重要な視点を提供していると思います。

私はこの部分を読んで、かつて訪れた小さな図書館のことを思い出しました。その図書館は、地域の人々が寄付で運営している場所で、誰でも自由に利用できるのが特徴でした。そこにたくさんの子供たちが集まり、本を読んでいる姿を見て、なんだか心が温かくなったのを覚えています。カーネギーも、公共図書館の設立を通して、知識へのアクセスを提供し続けたんですよね。彼が築いた図書館が、どれだけ多くの人々の人生を変えたのか、想像すると本当にすごいことだと思います。

私がカーネギーから学んだこと

この本を通して、私がカーネギーから学んだのは、成功とは単にお金を稼ぐことではなく、そのお金を社会のためにどう使うかが重要だということです。彼の生涯を通しての働き方や考え方は、私たちがキャリアや人生を考える上で、非常に大きなヒントを与えてくれます。

もちろん、彼の哲学がすべて正しいとは限りませんが、私にとっては「どう生きるべきか」を考える際の大きな指針になりました。特に、最後の人生の3分の1を社会に還元するという考え方は、私自身もいつか実践してみたいと思わせてくれます。

この本は、単なる成功者の記録ではなく、人生における「豊かさ」とは何かを深く考えさせてくれる一冊です。読後、ふと目の前が少しだけ明るくなった気がしました。皆さんもぜひ、カーネギーの哲学に触れてみてください。きっと、心に何かが残ると思います。

一ノ瀬悠

一ノ瀬悠

京都で哲学と文学を学ぶ大学生です。読書は、まだ言葉にできない気持ちと静かに向き合う時間。小さな喫茶店で本を読みながら、たまに日記のような読書ノートを書いています。

物語のなかに静かな絶望や、小さな希望を見つける瞬間が好きです。

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