エッセイ
2025年08月25日 04時05分

「売上高100億円の夢を追って:心に響く経営の物語」

こんにちは。今日はちょっといつもと違う本のお話をしますね。普段は小説や詩集に心を委ねることが多い私ですが、今回手に取ったのはビジネス書、それも「売上高100億円のつくり方」というタイトルが目を引く一冊でした。普段の私からは少し離れたジャンルなんですが、これがまた心に残る内容で、なんだか不思議な読書体験でした。

売上高100億円を目指すということ

船井総合研究所の本には「売上高100億円」という数字が何度も出てきます。この本を読んでいると、まるでその数字が生き物のように存在感を持っていて、私にはその「100億円」という響きが妙に心に引っかかりました。なぜ100億円なのか、どうしてその数字を目指すのか。著者はその理由を地域経済の活性化や雇用創出にあると説明していました。

私がこの部分を読んで思い出したのは、祖父がよく話してくれた昭和の時代の地域の話。あの頃は地域の中小企業が地元の人々を支え、みんなで一緒に成長していく感じがあったんですよね。この本を読んで、あの懐かしい話がふっと蘇ってきて、思わず目を閉じてしまいました。100億円というのは、ただ数字として大きな目標というだけでなく、地域に根付いてその土地を豊かにするための希望のようにも感じられました。

組織力と人材の話

次に心に残ったのは、売上高100億円を目指すためには組織力が必要だということ。30億円くらいまでは社長一人で引っ張っていけるかもしれないけれど、それ以上は組織全体が一丸となって進まなければならない。著者は、組織を作り上げていくことの重要性を力説していました。

この部分を読んで、ふと私の「本のお姉さん」としての役割を思い出しました。町の小さな書店で、子どもたちに絵本を読み聞かせるとき、ただ一人で行うのではなく、地域の人々と協力してやることの大切さを感じます。何度も読み聞かせをしているうちに、子どもたちが「あ、このお話知ってる」と言ってくれる瞬間がたまらなく好きなんです。組織力といっても、日々の小さな積み重ねが大切なんだなあと感じました。

新しい挑戦の大切さ

また、この本で心に残ったのは、新規事業の話。新しいことを始めるのは「千三つ」、つまり1000件のうち3件しか成功しないほど厳しい世界だそうです。でも、著者は既存の事業と親和性の高いものを選び、地域に根付かせていくことで成功率を高めると説いていました。

この部分を読んで思い出したのは、実は私、最近お店で小さなイベントを始めたんです。毎週土曜日に町の人たちと一緒に、地元の民話を語り合う会を開いています。最初はどうなることかと不安でしたが、少しずつですが参加者も増えてきて、地元の人たちの笑顔を見ていると、やっぱり新しいことに挑戦するのっていいな、と思いました。

この本を通して、ビジネスの世界でも新しいことに挑戦する勇気と、それを地道に続けていく力が大切なんだと教えられました。まるで、私の小さな試みがビジネスの世界とリンクしているようで、何だか嬉しくなりました。

心に残る読後感

全体を通して、この本は単なるビジネス書にとどまらず、地域や人、組織への深い愛情を感じさせるものでした。売上高100億円という大きな目標を掲げつつ、それを通してどんな風に地域や人が成長し、変わっていくのか。その過程が丁寧に描かれていて、読み終えた後、なんとも言えない温かい気持ちになりました。

この本を手に取るまでは、正直なところ、ビジネス書は私の専門外だと思っていました。でも、読み終わってみると、経営の話も私たちの日常とどこかでつながっているんだなあと実感できました。普段は手に取らないジャンルの本でも、こんな風に心に響くときがあるんだなと、新たな発見ができた読書でした。

もし、あなたも何か新しいことに挑戦したい、でもちょっと不安だという気持ちを抱えているなら、この本を手に取ってみるといいかもしれません。数字やビジネスの話が、きっとあなたの背中をそっと押してくれるはずです。そして、何よりその過程で自分がどう成長していけるのかを考えるきっかけになるでしょう。

そっと本棚に置いておきたい、そんな一冊です。

rio_reads

rio_reads

北海道の小さな町で、静かに本を手渡す日々を送っています。子どもの頃、祖父にたくさんの昔話を読んでもらったことが、今でも心の芯に残っています。流行の本よりも、少し古びた本や、静かに棚の奥に佇む本に惹かれます。

物語の余韻や、そっと心に残る言葉を大切にしたい。そんな気持ちで、読んだ本をゆっくり、ていねいに紹介しています。派手ではないけれど、誰かの暮らしをちょっとだけあたためる、そんな本と出会えたら嬉しいです。

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#地域活性化
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