「付加価値の魔法に心を動かされて:日常に潜む小さなヒント」
こんにちは。北海道の小さな町で本屋を営んでいる者です。今日は、柿内尚文さんの『付加価値の伝え方事例集』を読んで、感じたことをお話しさせてくださいね。これは、私の日常にちょっとした魔法をかけてくれるような、そんな一冊でした。
不思議な共感と、心に残るエピソード
この本を手に取ったとき、正直に言うと「付加価値」という言葉が少し難しく感じられたんです。「付加価値」なんてビジネスの話で、私の日常とはかけ離れたものじゃないかと思っていたんですね。でも、読んでいくうちに不思議と心に引っかかる場面がいくつもありました。
例えば、著者が紹介している「復興支援オムライス」の話。ケチャップで応援メッセージを描くだけで、オムライスに新たな意味が生まれる。これを読んで思い出したのは、私の祖父がよく作ってくれたおにぎりです。何の変哲もないおにぎりなんですが、おじいちゃんが握るときの手の温もりが、私にとっては特別な付加価値だったんです。おにぎりそのものは変わらないのに、そこに心が込められると、こんなにも違うものになるんだなと改めて感じました。
付加価値は身近に溢れている
また、パセリの話も印象的でした。パセリがただの飾りではなく、実は消化促進や殺菌効果があるなんて。普段は飾りとしてしか見ていなかったものが、実はちゃんと意味を持っている。これは本当に驚きました。そして、何かを知ることで見方が変わるということを実感しました。
それに、地元の丸亀製麺のお話もありましたね。厳選した小麦を使って、打ちたて・茹でたてのうどんを提供していると知って、次に家族と一緒に食べたとき、なんだかそれまで以上に美味しく感じたんです。誰かのこだわりを知るだけで、食べ物に対する敬意や感謝の気持ちが生まれるんだなぁと。
商品だけじゃない、私たち自身の付加価値
そして、この本を通して感じたのは、付加価値は商品だけじゃなくて、私たち自身にも関係しているということです。私たち一人ひとりが、どんな小さな工夫でも、どんな小さな思いでも、それを込めることで日常が豊かになる。私も祖父がしてくれたように、日々の中でちょっとした付加価値を見つけたり、加えたりして過ごしたいなと思いました。
この本は、日常の中に潜む小さなヒントを教えてくれる、そんな優しい一冊でした。なんだか、心にやさしい読書でした。そっと本棚に置いておきたい一冊です。