ビジネス書
2025年08月11日 09時48分

心の穴を埋める旅:『話せば話すほど嫌われる人の特徴』を読んで

こんにちは。今回は『話せば話すほど嫌われる人の特徴』という本を読んだ感想を、私自身の体験を交えてお話ししようと思います。正直なところ、この本のタイトルを初めて見たときは「ちょっと怖いな」と思いました。というのも、私自身が「話し過ぎる」タイプだからです。

この本を手に取ったのは、職場での人間関係に少し悩みを抱えていたからです。日々の業務の中で、自分が思うように話せていないと感じることがあって、そんな時にこの本が目に留まりました。「もしかして、これが原因なのかも」という気持ちで読み始めました。

嫌われる人の「心の穴」

本書では「心の穴」という概念が紹介されていて、これは私にとって一番心に響いた部分でした。著者の木村孝司さんも、かつては「話せば話すほど嫌われる人」だったそうです。自分の過去と向き合い、その背景にある心の穴を見つめることで、変わることができると説いています。

私が思い出したのは、子供の頃の記憶です。家族の中で一番話し好きな父が、いつも私に「もっと話せ」と言っていたことを思い出しました。でも、いざ話すと「それは違う」とか「もっとこうしろ」と否定されることが多くて、だんだんと話すことが怖くなってしまったんです。そんな経験が、今の私の「話し過ぎる」性格にどう関係しているのか、考えさせられました。

実践で心の穴を埋める

著者が提案するのは、知識を超えた「実践」の大切さです。例えば職場で笑顔で「おはよう」と言うことや、相手の話を最後まで聞くことなど、小さな実践を積み重ねることで人は変われるといいます。

仕事場では、つい自分の意見を押し通したくなる私ですが、この本を読んでからは少しずつ相手の話に耳を傾けるように心がけています。最初はぎこちなかったけれど、相手の反応が少しずつ変わってきた気がします。以前よりも会話がスムーズになったり、意見を求められることが増えたりしました。ほんの少しの変化かもしれませんが、私にとっては大きな一歩です。

「話したくなる人」を目指して

私の中で心に残ったのは、「出世するのは話したくなる人」という一節です。仕事でもプライベートでも、最終的には「一緒にいて心地いい人」が人を惹きつけるのだと感じました。自分の話をただするのではなく、相手の話を聞き、相手の価値観を理解しようとする姿勢が大切なのですね。

また、読んでいるうちに思い出したのは、震災後にボランティアで訪れた東北のことです。そこでは、言葉少なに、しかし深い絆で支え合う人々の姿が印象的でした。彼らは多くを語らずとも、その存在自体が周囲を安心させる力を持っていました。私もそんなふうにありたいと、この本を読みながら感じました。

『話せば話すほど嫌われる人の特徴』は、単なる自己啓発書とは違い、私自身の心の奥をじんわりと温めてくれるような存在です。読んでみて、自分がどう変わったのかを実感するには時間がかかるかもしれませんが、確実に私の心に何かを残しました。これからも、少しずつ「話したくなる人」を目指してみようと思います。

高橋 湊

高橋 湊

静かに本と向き合うのが好きな会社員。ノンフィクションや地方の物語を読みながら、自分の暮らしを少しずつ耕しています。派手さはないけれど、じわじわ染みる本が好きです。

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