エッセイ
2025年07月16日 16時36分

「鯱もなか」の復活劇から学ぶ、温かな人のつながりと地方の力

「鯱もなか」という名古屋の老舗和菓子店が、まさに崖っぷちから復活した話を読んで、なんだか心がじわじわと温まるのを感じました。私がこの本を手に取ったのは、ただのビジネス成功物語というよりも、人の温かさや地方に根ざした企業がどうやってその価値を保ち続けるのかを知りたかったからです。

「鯱もなか」の復活に込められた思い

読んでいて驚いたのは、著者夫妻の行動力と情熱です。もともとバンドマンだったという著者が、コロナ禍で廃業の危機に瀕していた「鯱もなか」を引き継ぎ、売り上げを10倍にまで回復させたというのだから、まさに驚きの一言。私自身もエンジニアからライターに転身した過去があるので、仕事を通じて新しいチャレンジをする姿勢には共感するものがありました。

この本を読み進めるうちに、著者夫妻がどれほど「鯱もなか」というブランドに愛情を注いでいるかが伝わってきました。彼らはただ商品を売ろうとしたのではなく、その背後にある歴史や物語を大切にして、それを支える人々とのつながりを構築していったのです。

人と人とのつながりがもたらす力

「鯱もなか」が復活する過程で、特に印象に残ったのは、クラウドファンディングやSNSを通じて、多くの人々が支援の手を差し伸べたことです。これは単に製品が良かったからというだけでなく、著者夫妻が真摯に人々と向き合い、その期待に応えようと努力したからではないでしょうか。

たとえば、愛知県出身のアイドルグループが支援表明してくれたエピソード。これを読んで、私も地元の人々が地元の企業を支えるその温かさに心打たれました。私の地元、福岡でも似たような話がありますが、やはり地域密着型の企業が愛され続けるためには、人とのつながりが何よりも大事なんだと再確認しました。

地方の力と自分の未来

この本を読み終えて、私はもう一度自分の将来について考えました。地方の力を信じ、そこに根ざした人々と共に歩むことがどれほど素晴らしいことか。この物語を通して、私はそうした未来の可能性を強く感じたのです。

「鯱もなか」の物語を通じて、地方の企業が持つ可能性と、それを支える人々の温かさを感じました。派手さはないけれど、こうした地道な努力と人の温かさが、実は一番強い力なのかもしれないですね。

本を閉じた後、私は静かに心を動かされ、また新たな一歩を踏み出そうという気持ちになりました。この本は、そんな静かだけど確かな力をくれる一冊です。

晴斗

晴斗

福岡在住、静かな読書が好きな会社員です。ノンフィクションや地方の物語を読みながら、自分の暮らしをゆっくり整えています。派手な本よりも、じんわり心に残る本が好きです。読書は、静かだけれど豊かな旅だと思っています。

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