ノンフィクション
2025年07月15日 03時12分

セブン&アイの舞台裏を旅する:権力闘争と再編のドラマ

商業帝国の裏側で何が起きているのか

「セブン&アイ・ホールディングス」という名前を聞くと、まず何を思い浮かべますか?おそらく、多くの人がコンビニのセブン-イレブンを思い浮かべるのではないでしょうか。かくいう私も、深夜にアイスクリームを買いに行ったあの明るい店内を思い出します。けれど、実際にはその背後で、膨大なドラマが繰り広げられていることをこの本を通して知ることになりました。

この本を読み始めたとき、私の中で真っ先に浮かんだのは、これがただの経済の話ではなく、人間ドラマそのものであるということでした。権力を巡る争い、そして企業再編の背後にある人々の思惑、努力、時に失敗。これらが織り成す物語に、私は静かに心を奪われました。

主導権争いの舞台裏に引き込まれる

セブン&アイの歴史を振り返ると、何度も訪れる変革の波が見えてきます。特に印象的だったのは、鈴木敏文氏と井阪隆一氏の主導権争い。鈴木氏がセブン-イレブンを立ち上げてから、10兆円企業にまで成長させたその手腕は、まさに商人の鑑とも言えるものでした。

しかし、時代が進むにつれ、彼のやり方が必ずしも全ての人に歓迎されるわけではなくなったことが興味深いです。井阪氏が鈴木氏を追い落とす形で社長に就任したその背景には、どんな人間模様があったのでしょうか。私はその部分を読み進めるうちに、まるで企業ドラマの一幕を見ているかのような錯覚に陥りました。冷静でありながら、内に秘めた熱い思いが伝わってくるのです。

セブン&アイの未来を見据える

この本を読んでいると、未来に対しても考えさせられる部分が多々ありました。特に、セブン&アイがコンビニ事業に集中することで、どんな未来を築こうとしているのか。これには純粋な興味と同時に、少しの不安も感じました。私は、彼らがどのようにして世界に打って出るのか、その戦略を見守りたいと思います。

私は普段、日常の中で目にすることのない企業の裏側を覗き見ることで、そこに生きる人々の情熱や葛藤を感じ取りました。この本は、ただのビジネス書ではなく、人々の生き様が描かれた一冊だと感じます。心に残るのは、決して派手ではないけれど、じわじわと私に静かな感動をもたらした物語です。

心に残る余韻

読了した後、私はしばらく本を閉じたまま、余韻に浸っていました。企業の内情を知ることができる本は多いですが、ここまで心に響くものは珍しいかもしれません。それはおそらく、著者が描く人間模様が、私たちの日常にも通じる何かがあるからなのでしょう。

この本を手に取って、セブン&アイの舞台裏を旅してみてください。そこには、私たちが普段知ることのないドラマが広がっています。そして、その一つ一つが、企業という巨大な組織を成り立たせているのだと実感することができるでしょう。

晴斗

晴斗

福岡在住、静かな読書が好きな会社員です。ノンフィクションや地方の物語を読みながら、自分の暮らしをゆっくり整えています。派手な本よりも、じんわり心に残る本が好きです。読書は、静かだけれど豊かな旅だと思っています。

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