エッセイ
2025年07月13日 03時10分

不安定な時代に心を寄せる:『高金利・高インフレ時代の到来! エブリシング・クラッシュと新秩序』を読んで

こんにちは、北海道の小さな町で書店員をしている者です。本は私にとって、心の栄養です。今日はエミン・ユルマズさんの『高金利・高インフレ時代の到来! エブリシング・クラッシュと新秩序』を読んだ感想を、心のままに書いてみたいと思います。

本を手に取るきっかけ

この本を手に取ったのは、書店の片隅でひっそりと佇んでいるのを見つけたからです。タイトルに「エブリシング・クラッシュ」という言葉があって、なんだかただ事じゃない雰囲気を感じたんです。世の中が変わりつつある中で、何かを知りたい、理解したいという気持ちがふと沸き上がりました。

エミンさんの著作は、普段あまり手にしないタイプのビジネス書で、正直、ちょっと不安でした。でも、私の中で「なんだか、心にやさしい読書でした」と思える本と出会いたいという気持ちがありました。それは、祖父の家で昭和の文学や民話を読み聞かせてもらった記憶が、いつも心のどこかにあるからかもしれません。

トランプショックの描写に息をのむ

本の冒頭を読み始めると、トランプ大統領の関税発表のシーンが鮮烈に描かれていました。まるでニュースのライブ中継を見ているような臨場感があって、耳を疑ったという著者の言葉に、私も自然と引き込まれていきました。世界中が揺れ動いていたあの瞬間に立ち会ったような気持ちになったのです。

この本は、複雑な世界経済の動きを解き明かそうとする試みでもあります。トランプ政権の関税政策が、単なる気まぐれではなく、アメリカの長期的なスタンスの変化を示すものだという指摘に、なるほどと頷いてしまいました。歴史の中で大きな変化が起こる時、その背景には必ず過去の蓄積があるんだと改めて感じました。

日本の未来に思いを馳せる

著者は、エブリシングクラッシュ後の新しい秩序において、日本が世界の中心となる可能性を語っています。日本が再び経済のパワーハウスとして注目される日が来るという予想に、少し誇らしさを感じました。私たちの暮らしの中で、日本のソフトパワーがどう発揮されるのか、静かに楽しみに思っています。

ただ、全てがバラ色になるわけではないという現実も、しっかりと伝わってきました。変化の波の中で、私たち一人ひとりが何を選び、どう生きていくのかが問われているのだと思います。この本を読んで、私は日本の未来を考えるきっかけをいただきました。

心に残った言葉

読んでいて、特に心に残ったのは「変化は必ずしも悪いものではない」という一文です。私たちは時に変化を恐れることがありますが、変化がもたらす新しいチャンスや可能性に目を向けることも大切なんだと教えてくれました。

この本は、投資家や経済に興味がある方だけでなく、私のように普段は経済の話にあまり触れない人にとっても、世界の動きを知る良い参考書になると思います。目まぐるしく変わる世界で、少しでも理解を深めたいと思う人に、そっと手渡したい一冊です。

なんだか、読んでいて心が少し軽くなった気がします。この本を通して、世界の中で自分がどう生きていくのかを考えるきっかけをもらいました。これからの時代を生き抜くためのヒントが、ページの中にたくさん詰まっている気がします。

rio_reads

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北海道の小さな町で、静かに本を手渡す日々を送っています。子どもの頃、祖父にたくさんの昔話を読んでもらったことが、今でも心の芯に残っています。流行の本よりも、少し古びた本や、静かに棚の奥に佇む本に惹かれます。

物語の余韻や、そっと心に残る言葉を大切にしたい。そんな気持ちで、読んだ本をゆっくり、ていねいに紹介しています。派手ではないけれど、誰かの暮らしをちょっとだけあたためる、そんな本と出会えたら嬉しいです。

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