『マイメンター: 「できない私』の書評
【タイトル】
「100日の在庫が7日になるまでの物語:『知らないからできる』を読んで考えたこと」
【本文】
最近読んだ本、『知らないからできる』が、じわじわと心に沁みてきています。この本は、実話をもとにした物語で、製造工場を舞台にした改善ストーリーです。私は普段、エンジニアとして働いていることもあって、「改善プロジェクト」とか「在庫管理」なんて聞くと、つい興味を引かれてしまうんですよね。
変わることの難しさと面白さ
この本を読み始めて、まず思ったのは、変革を進めることの難しさと面白さについてです。主人公のサラと如月おじさんが、赤字続きの工場を立て直すために奮闘する姿が描かれているんですが、彼らのやり方がとても理にかなっていて、それでいて大胆なんです。
例えば、100日分の在庫を抱えているという状況から、それを7日分にまで減らすなんて、普通だったら「無理だよ」と思ってしまうでしょう。でも、サラたちはどうにかしてそれを実現してしまう。それは、在庫をただ減らすのではなく、「何が本当に必要なのか」を考えた結果のことなんですよね。
私がエンジニアとして働く中で、何かを改善しようとするたびに感じるのが、現状維持バイアスの強さです。「今までこうしてきたから」って理由で、なかなか変わろうとしない。でも、この本を読んで、そんな時こそ「知らないからできる」の精神で、一歩踏み出してみる勇気を持つことが大切なんだと感じました。
人の心が変わる瞬間
サラと如月おじさんの姿を見ていて、特に心に残ったのは「人の心が変わる瞬間」です。工場の人たちは、最初は彼らの提案に半信半疑なんです。でも、少しずつ結果が出てくると、みんなの考え方が変わっていく様子が描かれているんです。
この変化って、実際に自分の職場でもあるんですよね。新しいシステムを導入するとき、最初はみんな戸惑うし、反発もある。でも、少しずつその良さがわかってくると、「これ、いいじゃん」となってくるんです。まさに、その瞬間をこの本で追体験したような気持ちになりました。
特に印象的だったのは、工場の作業員たちが「在庫を減らすなんて無理」と叫んでいたシーン。それに対して、サラたちが冷静に「じゃあ、できることからやってみよう」と提案する場面がありました。これを読んで、「自分もこうやって落ち着いて、まずはできることから始めればいいんだ」と思いました。
静かな対話と学び
この本を読み終えて感じたのは、読書って「静かな対話」だということです。物語の中で、サラと如月おじさんが工場の人たちと話し合いながら進めていく様子が、まるで自分にも語りかけてくるようでした。
本を読むとき、私はいつもその中に自分を重ねてしまいます。この本でも、サラたちの奮闘を追いながら、何度も自分の職場での出来事を思い出していました。実際に自分がその場にいるわけではないけれど、心の中では彼らと一緒に工場を歩き回っているような感覚です。
また、主人公たちが「0(ゼロ)ベース思考」を実践する姿に、私も学ぶところが多かったです。何もないところから考え直すことの重要性って、日常の中ではあまり意識しないけど、改めて大切だなと感じました。
最後に、この本を通じて私が感じたのは、「変わること」と「続けること」の両方の大切さです。新しいことに挑戦するのも大事だけど、それを続けていくことが、もっと大事なんだと。何事も、じわじわと成長していくことを楽しみながら、やっていきたいですね。派手じゃないけど、これは良書です。最後まで読むと、静かに泣ける。そんな一冊でした。
【カテゴリ】
ビジネス書, ノンフィクション
【タグ】
改善プロジェクト, 在庫管理, 変革, エンジニア, 学び