「愛」とは何かを問いかける旅:厨川白村に学んだ人生の意味
こんにちは、皆さん。今日は、私が最近読んだ本『厨川白村:「愛」は人生の至上至高の道徳』についてお話ししたいと思います。この本は、張競という著者が書いた厨川白村の評伝なのですが、実は私はこの本を手に取るまで、厨川白村という名前を聞いたことがありませんでした。
この本を読み始めたきっかけは、大学の読書会で「日本の文豪をもっと知ろう」というテーマがあり、参加者の一人がこの本を紹介してくれたからです。正直なところ、最初はあまり興味が湧かなかったのですが、読み進めるうちに、厨川白村という人物の生き方や彼の考え方にすっかり魅了されました。
白村の人生に学ぶ「愛」の形
厨川白村は、京大英文科時代に菊池寛の恩師であり、関東大震災で津波に襲われて亡くなったという事実だけでなく、彼がどのように人生を歩んできたのか、その詳細を知ることができました。特に印象的だったのは、彼が「愛」というものを人生の中でどのように捉えていたのかということです。
白村は、ラフカディオ・ハーンの教授解任騒動の際に、ただ一人学友たちの退学運動に反対したというエピソードがあります。この時の彼の判断は、単に自分の学問を守るためだけではなく、家族を支えるためという責任感から来ているものでした。なんだか、自分の中の「愛」の定義が少し変わった気がしました。愛というのは、ロマンチックなものだけでなく、もっと現実的で、時に重荷になるものでもあるのですね。
文学を通じて広がる世界
また、白村が文学をどのように捉えていたかにも興味を惹かれました。彼は文学を通じて、単なる物語以上のものを見ていたようです。文学の中にある豊かな世界が、彼の心をどれほど動かし、成長させたのかと思うと、私自身ももっと多くの本を読んでみたくなりました。特に、彼が書いた『近代文学十講』や『文芸思潮論』についての記述を読み、私もその本を手に取ってみたくなりました。
実は、私が文学を読むようになったのは、大学に入ってからです。子供の頃は、漫画やアニメが好きで、小説はあまり読んでいませんでした。でも、大学で哲学や文学を学ぶようになってから、言葉の力や物語の奥深さに気づかされました。厨川白村のように文学を愛し、そこから学びを得た人の生き方を知ると、私ももっと深く、じっくりと本を読んでいきたいと思いました。
文学と人生の交錯
白村の人生は、文学と深く結びついていました。彼の考え方や生き方は、彼が接してきた文学作品に大きく影響されていたのだと思います。夏目漱石の授業を熱心に聞いていたというエピソードも、私には非常に印象的でした。漱石が白村にとってどのような存在だったのか、また彼が漱石から何を学んだのか、想像するだけでわくわくします。
私も、大学の授業でたくさんの文学作品に触れてきましたが、その中には私の考え方や価値観に影響を与えたものもあります。厨川白村のように、人生において何を大切にすべきかを考えさせられる本との出会いは、私の心の中でずっと輝き続けます。文学の中で例えられる愛や苦悩、希望と絶望が、日々の生活にどのように反映されるのか、それを考えること自体が、またひとつの楽しみです。
この本を通じて、私は厨川白村という一人の文学者の人生を追体験することができました。そして、その過程で、私自身の人生において何を大切にしたいのか、少しずつ見えてきたような気がします。皆さんもぜひ、この本を手に取って、白村の言葉に耳を傾けてみてください。彼の人生を通じて、何か新しい発見があるかもしれません。