ノンフィクション
2025年08月25日 21時18分

音楽が描く都市の未来:『ミュージックシティで暮らそう』を読んで

突然ですが、皆さんは音楽のない街を想像できますか?私は、音楽がないなんて考えられないです。街を歩けば、どこからともなく流れてくる音楽や、路上で演奏するミュージシャンの音が私たちの日常の一部になっています。そんな音楽が、実は都市の未来を描く重要な要素になるかもしれないと教えてくれたのが、『ミュージックシティで暮らそう』という本です。

音楽に見る都市の未来

著者のシェイン・シャピロさんは、イギリスで音楽コンサルティング企業を立ち上げた方。彼の視点から見た音楽が都市にもたらす影響についての考察は、私にとって新鮮で驚きの連続でした。音楽をただの娯楽としてではなく、都市政策の一環として捉える視点は、これまで考えたこともなかったです。

この本を読んでいると、音楽が都市の「通気性」を確保するための重要な役割を果たすという考え方が心に響きました。都市開発の際に、音楽がどのように活用されるのか、その可能性について考えさせられます。音楽が水道水のように街中に行き渡る姿を想像してみてください。それは、ただ音楽が流れるだけでなく、都市の雰囲気や文化を豊かにする力があると思うんです。

音楽がつなぐ人と街

本書を読んでいる間、私は大学時代に参加した読書会のことを思い出しました。音楽を通じて人と人がつながる瞬間って、すごく感動的なんですよね。私が参加した読書会でも、音楽について語り合うことがよくありました。特に、ライブに行ったときの体験を共有することで、初対面の人ともすぐに打ち解けられたことを覚えています。

音楽が生み出すコミュニティの力は計り知れません。この本でも、音楽がコミュニティを形成し、都市の持続可能な発展に寄与する可能性について書かれていました。音楽を通じて人と人が繋がり、街全体の活気が増していく。そんな未来を夢見ながら、私もこの本を読み進めました。

都市政策としての音楽

私が特に感銘を受けたのは、音楽が都市政策の一部として組み込まれるべきだという提案です。音楽が経済活動にどのように影響を与えるかを具体的に捉えることは難しいですが、音楽があることによって生まれる「価値」は確かに存在します。それは、数字では測りきれないものかもしれませんが、都市にとっては非常に重要な要素となるでしょう。

例えば、本書で紹介されているアラバマ州のハンツヴィルの事例。音楽施設を基点にして街を活性化させる取り組みは、他の都市にも応用できるヒントがたくさん詰まっています。音楽が人々を引き寄せ、街を活気づける力があることを実感しました。

これを読んでいると、日本の都市がどのように音楽を取り入れていけるのか、想像が膨らみます。東京だけでなく、大阪や名古屋、もっと小さな町でも、音楽を通じて新しい魅力を発信できるのではないでしょうか。

音楽が描く未来を共に

音楽が都市の未来を描く鍵となるという考え方に、私はすっかり魅了されました。音楽を通じて、より豊かで魅力的な街を作り上げていく。そんな未来を想像するだけで、なんだかワクワクしてきます。

この本を通じて感じたのは、音楽の力を信じ、それを都市の政策に活かしていくことの重要性です。そして、それが可能であるという具体的なビジョンを持つことが、私たちの未来をより明るくしてくれるのだと思います。

皆さんも、この本を手に取って、音楽と都市がどのように共鳴し合うのか、その未来を一緒に想像してみませんか?音楽が描く都市の未来を、共に考えていきましょう。

一ノ瀬悠

一ノ瀬悠

京都で哲学と文学を学ぶ大学生です。読書は、まだ言葉にできない気持ちと静かに向き合う時間。小さな喫茶店で本を読みながら、たまに日記のような読書ノートを書いています。

物語のなかに静かな絶望や、小さな希望を見つける瞬間が好きです。

タグ
#コミュニティ
#持続可能性
#文化
#都市政策
#音楽