「性弱説経営」に心揺さぶられる瞬間—キーエンスの秘密に触れて
「性弱説経営」とは何か?
初めて「性弱説経営」という言葉に出会ったとき、正直なところ、私はちょっと構えました。なんだか難しそうな響きに、最初は少し尻込みしていたんです。でも、この本を読み進めるうちに、そんな先入観がどんどん崩れていきました。
キーエンスという企業が、いかにして高収益を維持しているのか。その秘密の一端が「性弱説経営」にあると知って、妙に納得がいったんです。人は弱い存在であるという前提に基づき、システムや仕組みを整えることの重要性を説いているのですが、そこにはどこか人間らしさが感じられます。
例えば、営業担当者が行う事前報告と事後報告。これについては、私自身の学生生活にも通じるものがあるんですよね。準備不足でプレゼンに臨んで、後悔した経験が何度もあります。必要な知識やスキルを事前にチェックすることの大切さを、改めて考えさせられました。
「役立ち度が高ければ高くても売れる」という確信
この本で特に心に残ったのは、「役立ち度が高ければ、高く販売できる」というキーエンスの揺るぎない確信です。顧客の要望をそのまま商品に反映するのではなく、本当に必要とされる価値を探り出す姿勢に、私は強く共感しました。
大学での研究でも、ただ情報を集めるだけでなく、「なぜそれが必要なのか」を考えることが重要だと教えられました。それと似たようなことを、キーエンスは企業活動の中で実践しているんですね。商品を売るときにも、現状の課題を明確にし、その解決策として商品を提案する。そのプロセスがとても理にかなっていて、思わず唸ってしまいました。
「ハッピーコール」とは何か?
「ハッピーコール」という言葉を初めて知ったとき、なんだか少し可愛らしい響きに感じました。でも、その実態はかなりシビアです。営業担当者が行った面談の様子を上司が確認する電話のことを指し、これが業績評価にもつながるんです。
大学でのゼミ発表でも、教授からのフィードバックが怖いと感じることがあります。でも、それが自分の成長に繋がると思えば、やっぱり必要なプロセスなんですよね。この「ハッピーコール」も、営業担当者にとっては厳しいものかもしれませんが、成長の一環として受け止められているのかもしれません。
真実を追求する姿勢
この本を通じて感じたのは、キーエンスの「真実を追求する姿勢」です。「頑張る人に損をさせない」「嘘をつく人に得をさせない」という考え方に、私は深く共感しました。社会に出たら、こういった姿勢がもっと求められるのだと、改めて実感しました。
私自身、口だけではなく行動で示すことの大切さを痛感しています。実務ができる人が評価される環境は、やりがいも生まれるでしょう。私も、そんな環境で自分を試してみたいと思いました。
この本を読んで、キーエンスという企業が単なる高収益企業ではなく、人間の弱さを認め、それに基づいて経営をしているということに、大いに心を動かされました。私も、まだまだ成長途中ですが、こうした考え方を自分の中にも取り入れられたらいいなと思います。