「みしらぬ国戦争」:現実と幻想の狭間で感じた不安と希望
こんにちは!今日は、三崎亜記さんの新作『みしらぬ国戦争』についてお話ししたいと思います。この本、読んでみて本当にびっくりしました。だって、現実の世界とリンクしすぎていて、フィクションなのにどこかリアルな感覚が抜けないんです。なんというか、読んだ後の心の余韻がすごくて、つい誰かに話したくなっちゃう作品でした。
まるで現実の延長線上にある物語
『みしらぬ国戦争』は、名前も位置もわからない敵国「未確認隣接国家(UNC)」との戦争がテーマの小説です。でもこの戦争、実は戦場も戦死者もいない架空のもの。政府は「非平和状態」と言い換え、国民の意識を操作しているという設定です。これを読んでいて、どうしても今の世界情勢と重ねてしまいました。
例えば、ニュースで聞く戦争や政治の話って、なんだか遠い国の出来事のように感じることが多いけれど、この小説を読んでいると、ああ、私たちの日常って、こんなにも簡単に操作されてしまうものなんだな、って思わされます。それが怖い反面、妙に納得してしまう自分がいて、心の中で「これ、まさに今のことじゃん!」と叫びたくなる瞬間が何度もありました。
心の中の「ミシラヌ」への憧れ
小説の中で出てくる理想郷「ミシラヌ」への憧れ、これがまた面白いんです。誰もが望む平和で理想的な場所って、現実には存在しないんだけど、だからこそ人々の心を強く引き付けるんですよね。この設定、個人的にすごく共感する部分がありました。
私自身も、忙しい日常の中で「もっとこうだったらいいのに」とか、「こんな場所に行けたらなぁ」と思うことがあるんです。でも、それって結局は自分の中にある理想で、現実とは異なるファンタジーなんですよね。そんな私たちの心の奥に潜んでいる「ミシラヌ」への憧れを、この物語はうまく描き出しているなと思いました。
読後の余韻と、心に残るメッセージ
読んだ後、しばらくはこの物語のことが頭から離れませんでした。特に、政府が戦意高揚のために行う「顕戦工作」は、現実の情報操作を彷彿とさせます。私たちが普段信じている情報も、実は誰かの意図によって巧妙に作られたものかもしれない。そんなことを考えると、情報の受け取り方についても改めて考えさせられます。
この小説を通して感じたのは、何が真実で何が偽りかを見極める力を持つことの大切さです。情報が溢れる現代社会で、私たちはどうやって自分の意思を守っていくのか。それを問いかけられている気がしました。
最後に、三崎亜記さんの作品は、いつも私たちの心に新たな視点を与えてくれます。今回もまた、彼の巧みな筆致に心を動かされました。この小説が、あなたの読書リストに加わることを願ってやみません。
ぜひ『みしらぬ国戦争』を手に取って、あなた自身の心がどんなふうに動くのか、感じてみてくださいね!